電験3種 法規 負荷率・需要率・不等率
電験3種 法規 計算分野の一つ「負荷率・需要率・不等率」のメモ。
とっかかりはややこしいですが、典型的な問題しか出ないので慣れれば得点源となりうる分野だと感じています。 私は「これだけ法規」をベースに学習しているのですが、「これだけ法規」は数式を利用した説明が乏しいので個人的に解釈した内容をメモします。 (忘れてしまうので)
我流の解釈なので一般的な記述方法とはだいぶ異なると思います 一般的な記述の方法でこんなのがあるよ、というものがあれば教えていただけるとすごく助かります
まずは負荷率・需要率・不等率の定義を下記しましょう。
負荷率 $$ 負荷率 = \frac{平均需要電力}{最大需要電力} \times 100 [\%] $$
需要率 $$ 需要率 = \frac{最大需要電力}{全設備の総容量} \times 100 [\%] $$
不等率 $$ 不等率 = \frac{各負荷の最大需要電力の和}{合成最大需要電力} \times 100 [\%] $$
これはネットや参考書に書いてある定義そのまんまですが、個人的にはものすごく分かりにくくて頭に入りませんでした。 そこで下記のようにそれぞれを数式化します。
負荷率・需要率・不等率の数式化
容量や電力の単位は特に断らない限り [kW] であるとします。
需要家が$N$箇所ある(電力を送る相手が$N$人いる)として、$i$番目の需要家を$i$需要家と呼ぶこととする。
$i$需要家について下記のように定める。
- 負荷設備の容量: $P_i$
- 平均需要電力: $\hat{P_i}$
- 負荷率: $L_i$
- 需要率: $D_i$
また、いくつかの需要家のグループAの不等率を$I_A$と表示し、このグループAの負荷率をAの総合負荷率$L_A$とする。 (負荷率: LoadからL、需要率: DemandからD、不等率: InequalityからI を取りました)
このとき下記のように定式化される。
$i$需要家についてのパラメータ
- $i$需要家の最大需要電力
$$ D_i P_i $$
$i$需要家の負荷率 $L_i$ $$ L_i = \frac{\hat{P_i}}{D_i P_i} $$
$i$需要家の平均需要電力 $\hat{P_i}$
$$ \hat{P_i} = L_i D_i P_i $$
いくつかの需要家のグループAについてのパラメータ
最大需要電力 $$ D_A P_A $$
平均需要電力$\hat{P_A}$ $$ \begin{eqnarray} \hat{P_A} &=& \sum_{i \in A} \hat{P_i} \\ &=& \sum_{i \in A} L_{i} D_{i} P_{i} \end{eqnarray} $$
総合負荷率$L_A$ $$ L_A = \frac{\hat{P_A}}{D_A P_A} $$
不等率$I_A$ $$ I_A = \frac{\sum_{i \in A} D_i P_i}{D_A P_A} $$
図にしてまとめる
問題例
実際に解く、まではいかないけどこんな感じで使えるんじゃないかという中途半端な例を下記します。
[与えられているもの]
需要家$i, j, k$の
1. 容量$P_i, P_j, P_k$
2. 需要率$D_i, D_j, D_k$
3. 負荷率$L_i, L_j, L_k$
4. 需要家間の不等率$I_A$
[求めるもの]
1. 合成最大電力 $P_A$
2. 一日の合計電力 $P_{day} = 24 \times \hat{P}_A$
(1時間あたりの平均電力$\hat{P}_A$を求めて24を掛ければ求まる)
先程の図を利用すると下図のようになります。赤色のものが与えられているもの、青色のものが求めるものです。なお緑色のものは途中過程で必要となる値となります(都合上一部色付けできていない部分があります)。
赤色のものを利用して、緑色のものを計算し、最後に赤色のものを計算すれば問題は解けます。
終わりに
数式に落とし込むことで覚えやすくなる、というよりも数式に落とし込むまで考え込むことで覚えているような気がしないでもないです。
数学的・電気的にこの式が妥当なのかは分かりませんが、電験3種の問題なら解けるのでよしとしておこう。穴があったらどうしよう。
そもそも自分で数式に落とすよりも、負荷率・需要率・不等率を数式として理論的に述べてる記事や論文、資料あればすごく読みたいのですが、私のGoogle力では探し出すことは出来ませんでした。もしご存知の方がいればご教示いただけるととても喜びます。