ルベーグ積分の早見まとめ
ルベーグ積分を最近勉強してるので早見表的にまとめていきます。個人的なまとめです。
測度論
測度論(measure theory)は
面積や長さとはなんだろう?
ジョルダン測度(様々な図形の面積: 具体的)
図形を小さな長方形に分けて寄せ集めたものを図形の面積とする考え(リーマン積分の考え方に似ている)ルベーグ測度(様々な図形の面積: 具体的)
複数の長方形で図形を覆い(長方形は重なってもいい)、そのようなパターンをたくさん考える。その中で最も図形の面積に近いような長方形のパターンを面積とする考え。
という流れになるだろう。これを頭の片隅に置いておこう。
ジョルダンの測度の考え
ジョルダンの測度は我々が普通に考えている図形の面積や長さそのものを指す。
ジョルダン測度はまだ具体的な考え方と見ることが出来るだろう。
ジョルダン測度
大幅に略するが、我々がおおよそ考えている面積や長さというものを
有界な集合$S$の測度を
$$ |S| $$ と書き、ジョルダン測度と呼ぶ。
たとえば縦幅$a$, 横幅$b$の長方形のジョルダン測度$|S|$は
$$ |S| = ab $$
となる。
$$ |S| = b - a $$
となる。
ルベーグの測度の考え
ルベーグ測度は
ルベーグ外測度
$S$を$\mathbb{R}^{2}$上の有界な集合、$I_{n} \ (n \in \mathbb{N})$を可算個の長方形とする。$I_{n}$のジョルダン測度$|I_{n}|$の和
$$ \sum_{n=1}^{\infty} |I_{n}| $$ の下限をルベーグ外測度と呼び
$$ m^{*}(S) = \inf \sum_{n=1}^{\infty} |I_{n}| $$
と書く。
ルベーグ内測度
ルベーグ外測度$m^{*}$が定義されている$\mathbb{R}^{2}$上の有界な集合$S$について。$S$を覆う長方形$J$を考えるとき$m_{*}$を
$$ m_{*}(S) = |J| - m^{*}(J \cap S^{c}) $$
と書き、ルベーグ内測度と呼ぶ。
ルベーグ測度とルベーグ可測
有界な集合$S$について外側度$m^{*}$及び内測度$m_{*}$が
$$ m(S) = m^{*}(S) = m_{*}(S) $$
となるとき集合$S$はルベーグ可測な集合またはルベーグ可測と呼ぶ。
このとき $ m $ をルベーグ測度と呼ぶ。
カラテオドリの測度の考え
カラテオドリ外側度
集合$X$のべき集合$\mathcal{B}(X)$に対して写像
$$ m^{*}: \mathcal{B}(X) \to \mathbb{R} $$
について$A, B \in \mathcal{B}(X)$とする
$$ \begin{eqnarray} &(1)& \ 0 \le m^{*}(A) \le \infty,\ m^{*}(\phi) = 0 \\ &(2)& A \subset B \Rightarrow m^{*}(A) \le m^{*}(B) \\ &(3)& m^{*}( \bigcup_{n=1}^{\infty} A_{n}) \le \sum_{n=1}^{\infty} m^{*}(A_{n}) \end{eqnarray} $$
(1)~(3)を$m^{*}$が満たすときカラテオドリ外側度と呼ぶ。
カラテオドリ可測
集合$X$の上にカラテオドリ外側度$m^{*}$が与えられているとする。
$A \in \mathcal{B}(X)$が$ \forall E \in \mathcal{B}(X)$に対して
$$ m^{*} (E) = m^{*} (E \cap A) + m^{*} (E \cap A^{c}) $$
が成り立つ時、集合$A$はカラテオドリ可測であると呼ぶ。カラテオドリ可測のとき
$$ m(X) = m^{*}(X) $$
と書き、$ m $ をカラテオドリ測度と呼ぶ。